倫理的投資ファンドのコストとは? 初心者が知っておくべき費用の話
倫理的投資は、社会貢献と資産形成の両立を目指す投資方法として注目されています。投資を始めるにあたり、どのような費用がかかるのか、漠然とした疑問や不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。投資には多かれ少なかれ費用が発生するものですが、その内容を理解することは、安心して投資を続けるために重要です。
倫理的投資にかかる主なコストの種類
投資信託を通じて倫理的投資を行う場合、いくつかの種類のコストが発生します。これらのコストは、ファンドの運用や管理に必要な費用であり、投資家が負担することになります。主なコストには、以下のものがあります。
- 購入時手数料: 投資信託を購入する際に一度だけかかる費用です。購入金額に対して一定の割合で計算されることが一般的です。ただし、最近では購入時手数料がかからない「ノーロード」と呼ばれるファンドも増えています。
- 運用管理費用(信託報酬): ファンドを保有している期間中、継続的にかかる費用です。ファンドの純資産総額に対して、日々一定の料率で差し引かれます。この費用は、ファンドの運用会社、販売会社、受託会社(信託銀行)に分配され、ファンドの運用・管理にかかる様々な費用を賄います。
- 信託財産留保額: 投資信託を換金(解約・換金請求)する際に、基準価額から差し引かれる費用です。ファンドの資金流出に伴う基準価額への悪影響を抑え、ファンド全体の安定性を保つために設定されることがあります。
運用管理費用(信託報酬)について詳しく
特に運用管理費用(信託報酬)は、ファンドを保有している限り毎日かかる費用のため、長期的な投資では無視できない要素です。この費用には、ファンドマネージャーが投資対象を選定・運用する費用、資産を管理する費用、監査費用、目論見書や運用報告書を作成・配布する費用などが含まれています。
倫理的投資ファンドの中には、通常の投資信託と比較して信託報酬がやや高めに設定されているものも見られます。これは、倫理的な基準に基づいた企業評価やエンゲージメント活動(企業との対話)に、通常の運用よりも専門的なリサーチや手間がかかる場合があるためです。
コストは倫理的投資ファンド選びの一要素
コストは投資リターンに影響を与える要素の一つですが、コストだけでファンドを選ぶべきではありません。特に倫理的投資においては、どのような倫理的なテーマに取り組んでいるか、どのような基準で投資対象を選んでいるか、運用実績はどうか、といった点も非常に重要です。
ご自身の関心のある社会課題や倫理的な価値観に合致しているか、目論見書や運用報告書などで情報収集を行い、コストも含めて総合的に判断することが大切です。
コストを理解し、安心して投資を進めるために
投資にかかるコストを事前に理解しておくことは、投資を始める上での不安を和らげ、安心して継続するために役立ちます。購入を検討しているファンドがある場合、必ず目論見書でコストに関する項目を確認するようにしましょう。分からない点があれば、証券会社などの販売会社に尋ねることも可能です。
倫理的投資は、社会への貢献を目指しながら資産形成を行う、意義のある取り組みです。コストに関する正しい知識を持ち、ご自身の目的に合ったファンド選びを進めていくことが、倫理的投資の第一歩となります。